
難民申請中に他の在留資格ビザに変更する
難民申請中は、特定活動ビザという在留資格にて日本に滞在することができます。特定活動ビザは複数の理由で交付されますが、難民申請を行った場合にも、難民審査のため特定活動ビザが交付されます。
難民申請後は、難民として認定するかどうかが入国管理局で審査されますが、近年、難民として認定された数は1%以下という結果がでています。難民として認定されない場合は、日本に在留することができなくなることから、帰国せざるを得ません。
難民申請は審査期間も長く、その申請内容に法律で規定された理由が無い場合ほとんどが不許可となっていることから、もしこれから難民申請を検討している場合は、配偶者ビザ、就労ビザでの申請ができないかを検討すべきです。
なお、現在、難民申請中で特定活動ビザを保有している場合あっても、就労ビザ、配偶者ビザの申請要件を満たしている場合は、他のビザへの変更申請が認められる場合があります。
難民申請の許可数
近年の難民申請で認定が認められた人数は、年約100人前後です。難民ビザ申請数は、10,000人を超えていることから、その認定率はかなり低いものとなっています。
難民申請が不許可となった場合は、難民審査を目的とする特定活動ビザは失効することから、入国管理局の指示に従い出国する必要があります。
年 | 申請数 | 定住難民 | 条約難民 | その他 | 許可合計 |
---|---|---|---|---|---|
2015年 | 7,586 | 19 | 27 | 79 | 125 |
2016年 | 10,901 | 18 | 28 | 97 | 143 |
2017年 | 19,629 | 29 | 20 | 45 | 94 |
2018年 | 10,493 | 22 | 42 | 40 | 104 |
2019年 | 10,375 | 20 | 44 | 37 | 101 |
2020年 | 3,936 | 0 | 47 | 44 | 91 |
難民申請から就労ビザへの変更
難民申請中で特定活動ビザを保有している方であっても、技術・人文知識・国際業務や、経営管理などの就労ビザの申請要件を満たす場合、就労ビザへの在留資格変更申請が可能です。
ただし、難民申請中の方からの変更申請は、難民申請した経緯なども審査されるため、難民申請自体がマイナス材料となり審査が厳しいものとなります。
さらに、難民ビザからの就労ビザへの変更は、その緊急性などを考慮すると、かなり変更許可の難易度が高く、いったん帰国をして、在留資格認定証明書交付申請を行い、審査を受けるよう指導されることがあります。
難民申請から配偶者ビザへの変更
難民申請中で特定活動ビザを保有している方であっても、配偶者ビザの申請要件を満たす場合は、配偶者ビザへの在留資格変更申請が可能です。
当然ながら、難民申請中からの配偶者ビザへの変更申請の場合であっても、難民申請をした経緯も審査の対象になることから、審査が厳しいものとなります。
しかしながら、配偶者ビザへの変更申請の場合は、就労ビザへの変更申請と異なり、人道的な事情なども考慮され審査されることが多いことから、配偶者ビザへの変更が認められる傾向があります。
難民申請中から他の在留資格への変更をするには
難民申請は、濫用的、誤用的な申請も多く、難民として認められることはとても少ないのが現状です。
難民審査のために、一時的に、日本に在留できる特定活動ビザを取得できるものの、最終的には難民に当たらないとして帰国する方が多いといえます。
もし、難民申請中に他の在留資格に変更する場合は、その変更申請自体は認められることが多いものの、その許可は難易度が高いことから、専門家と協力して申請を進めていくのが一般的です。